カメラのオート機能の種類【カメラ入門講座-2】

カメラのオート機能の種類 カメラ入門講座

目次

はじめに

みなさん、こんにちは。

カメラマンの野口悠治です。

この「カメラ入門講座」は、初心者と少しワンランク上の撮影がしたいという方向けに、初心者でも分かりやすい表現で記事の執筆をしています。皆さんの写真活動がより豊かになれば僕としても嬉しく思います。第2回目のテーマは「カメラのオート機能の種類」です。

第2回目のテーマは「カメラのオート機能の種類」です。

カメラを買って、いざ撮影したら写真がすごく暗いであるとか、ダイヤルを回したら写真がオカシクなったとか、そのような経験のある方も多いのではないでしょうか。筆者自身も初めてカメラを使った時はそのような状況でした。恐らく、最初の挫折はこのあたりではないかと思います。このページでは個別操作については記述していませんが、少し俯瞰の視野に立って、カメラが自動でやってくれる範囲について確認をされたほうが良いと思いますので、その領域について記事を書いています。

4つのオート機能

デジタルカメラには大きく分けると4つのオート機能があります。露出に関わるオート、感度に関わるオート、色味に関わるオート、フォーカスに関わるオートの4種のことです。各メーカーで細かな用語の使い方が異なりますし、さらに細かい設定ができるものもあります。

第1に、露出に関わるオートはAEと表記され、プログラムオートとかマニュアルとか言われる選択コマンドのことです。多くのカメラの場合ダイヤルがカメラのボディに配置されていて、そのダイヤルを回すことで露出モードの変更ができるはずです。ここで「露出」という用語が使用されているのは、「露出の3要素」と呼ばれるシャッター速度・絞り・ISOの2項目に関係するモードであるからです。この露出モードにはさらに、基本的な4分類がさらに存在します。まず、プログラムオート(Pモード)と呼ばれる、シャッター速度と絞りの操作をカメラ側に任せ自動化し、撮影者自身はシャッターボタンを押すだけというモードとなっています。次に、絞り優先モード(Aモード)と呼ばれる、シャッター速度操作のみをカメラ側に任せて、絞りについては撮影者自身が調整するというモードとなっています。さらに次に、シャッター速度優先モード(Sモード)と呼ばれる、絞り操作のみをカメラ側に任せて、シャッター速度については撮影者自身が調整するというモードとなっています。最後に、マニュアル(Mモード)と呼ばれる、シャッター速度も絞りの操作もすべて撮影者が調整するというモードとなっています。

第2に、感度に関わるオートは、ISO感度を手動で調整するか自動化するかということです。これは恐らく多くの機種では、メニューのなかから該当する項目を探す必要があると思われます。このISO感度も自動化することができます。

写真の明るさに関わるオート機能は、上記露出に関わるオートと、この感度に関わるオートです。この2つが不適切であると、異様に明るかったり暗かったりします。

第3に、色味に関わるオートは、オートホワイトバランスと呼ばれます。しばしば、太陽や雲のアイコンが記載されていることが多いと思いますが、晴れの日や曇りの日など周囲の光がどのようなものかによって写真の色味は変わってしまうので、それを補正する項目がホワイトバランスというものです。このホワイトバランスが不適切だと異様に赤かったり青かったりします。これも自動化することができます。

第4に、フォーカスに関するオートはよく「AF」「オートフォーカス」と記載されていますが、焦点を取る作業をカメラに自動化させる機能のことです。ほとんどのカメラはシャッターボタンを半押しにすると、オートフォーカスが起動するようになっていると思われます。撮影者が「撮りたい」と思った被写体に対してピントを移動させてくれるので、大変便利な機能です。このフォーカス操作が不適切だと、「ピンボケ」の写真が作成されてしまうということです。

オート機能の活用方法

ここまで、露出に関わるオート、感度に関わるオート、色味に関わるオート、フォーカスに関わるオートの4種の概要を説明してきました。この節ではその活用について触れていきたいと思います。このブログ記事においては読者層を初心者と想定しているため、まずは撮影者が「撮りたい」と思った写真が撮れることを最初のステップとして念頭に置いて記述していきたいと思います。

第1に、露出に関わるオートについてですが、まずはプログラムオートなどによって、多くの項目をカメラ側に自動化させて撮影することをお薦めします。多くの入門向け図書やウェブページにおいては、被写体や状況に応じてモードを使い分けることが書かれており、その通りなのですが、それが可能となるのはかなり写真について熟練した人になると当方筆者は思っています。失敗するよりも、まずは撮れる楽しさを感じることのほうが現段階においては重要だと思います。もちろん、ある程度撮れる楽しさを感じてくると、自分の写真をイマイチに感じる時が来るでしょう。その時に、他のモードを試してみてもらいたいです。最終的にマニュアル撮影ができると撮影の幅は広がりますので、それに到達するまでの補助的な位置づけとして絞り優先モードやシャッター速度優先モードを利用してもよいと思います。むしろ、明るさは自動で調整してくれるにも関わらず、手動で変える必要のある変数が1つになるので、それを自分で変えた時にどのように写りが異なるのか自身で確認しやすいと思われます。

第2に、感度と色味に関わるオートであるが、これもまずはオートにしておいてよいと思います。感度は、高すぎると「ノイズ」と呼ばれるもの(写真のなかにランダムに発生した小さなつぶつぶが目立ってきます)が写真に強く反映されてきてしまいますが、写真の出来栄えに決定的に響くというものでもないと当方は考えていますし、感度は明るさに関わる項目なので後からかなり修正ができます。スマホのアプリなどにも初心者が使いやすいものが多様に存在しています。そのため、カメラ始めたてで色々と分からないことが多いなかであれば、まずは感度と色味に関しては後回しで考えてよいように思えるのが当方の立場です。

第3に、フォーカスに関わるオートについては、基本的にマニュアルフォーカス(MF)は避けて、オートフォーカスのみで撮影したほうがよいと思います。現代のオートフォーカスは非常に優秀であるため、通常の撮影においては、オートフォーカスのみを使用したほうが撮影のテンポが高まり、数多くの写真を撮影することができます。

おわりに

ここまでお読み頂いてありがとうございました。

今回のカメラ入門講座においては、「カメラのオート機能の種類」について説明をしました。

自分の知識で対応できないと思ったら、迷わずオートを使ってよいと思います。写真の撮影はそのタイミングしか存在しないこともあり、シャッターチャンスだけは逃したくないものです。シャッターチャンスを逃すと後悔に繋がりますので、まずは撮影するということに集中してはいかがだろうかと思います。

その後、もしかしたら「ちょっと違うな」と思う写真に出会うかもしれません。その時に、オートを解除して、ぜひ自身のこだわりを撮影操作に反映させてもらいたいと思います。そのほうが最もその人らしい写真が撮影できるはずです。応援しています。

定期的にこのシリーズは掲載していきますので、またお読み下さると嬉しいです。

今後ともよろしくお願い致します。